団地の歴史を知ろう!団地の沿革

昭和31年千里山団地から始まり、分譲は40年代から

団地の起源

団地は、日本で初めて導入された集合住宅です。第二次世界大戦が始まる前までは、数軒で構成された小さな集合団地や家で生活をする人がほとんどで、巨大なアパートや集合住宅は日本に存在しませんでした。

戦後の団地

戦後、日本は住宅が圧倒的に不足していました。戦争により都市住宅の44%が倒壊し、日本政府は経済を立て直すため、早急に見返りが見込める産業に大きな投資を行いました。
その結果、都心部に仕事が大きく集中し、東京などの大都会に職を求める人々が集中するようになりました。こうして都心で生活する人の数が急速に増加したため、多くの住宅を確保する事が急務となりました。

日本住宅
公団の設立

敗戦から1950年代にかけて、都心の人口の数は大きく増加しました。
そこで、日本政府は多くの住宅を開発せざるを得なくなり、住宅不足を解消するため、1955年に日本住宅公団を設立しました。都心の急速な人口の増加に対応できる住まいとして、団地が採用される事となったのです。

団地の特徴

団地を作るにあたって、ソビエト連邦のフルシチョフカ(ソビエト連邦の仮設住宅として使われていた安価な集合住宅)が参考にされました。
団地外観はフルシチョフに似ていますが、内装は台所、浴室、多目的で使える和室など、日本人の生活文化に合わせた仕様で作られました。

フルシチョフカ

申し込みが殺到し、抽選に当選するのは困難であった

団地の人気

1950年代から1970年代にかけて、団地は今風でお洒落な近代の象徴でした。ほとんどの団地が都心部にあり、公共の交通機関やお店にも近く、家賃は比較的良心的に設定されました。

団地人気の
低落

1970年代になると、日本政府は、公営住宅を十分に供給し、住宅危機は解消したという結論に達します。1950年代~1960年代に団地へ入居した若い世代は年齢を重ね、貯金をして家を購入し、団地を出ていくようになりました。
その結果、団地=近代的というイメージは薄れ、1980年代~1990年代に登場した新しいスタイルの住宅が人気を博すようになりました。

団地
リノベーション

団地は一時的に忘れ去られる存在となりましたが、近年では団地リノベーションが流行し、再び注目を集めています。団地リノベーションは、古い団地を現代のライフスタイルに合わせて改装することで、新たな価値を生み出しています。業者と無印良品などのブランドが事業提携して、団地リノベーションに取り組んでいます。
また、団地リノベーションは、都市部の過密化を緩和し、持続可能な都市開発を促進するための重要な手段ともなっています。団地の再利用は、新たな住宅を建設することなく、既存の住宅を最大限に活用することを可能にし、都市の持続可能性を高めています。